拝啓 時下益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

児玉画廊 | 東京では来る8月2日より8月23日まで飯川雄大「グッドシチュエーション」を開催致します。

本展は7月12日より7月26日まで児玉画廊(大阪)にて開催しま した同名の展覧会に引き続き、新たに制作した作品を追加し、 インスタレーションを再構成した内容となっております。 飯川は「時間」をテーマに独自の感覚をもって向き合い、映 像作品による表現活動を続けています。近年では時間を様々 な角度から捉える試みとして「時の演習用時計」や「時間泥 棒 -Half Time project- 」といった作品を断続的に製作してい ます。 昨年児玉画廊(大阪)での個展で発表した「時の演習 用時計」は撮りためた約500シーンもの映像を24時間分に編 集したものを一日中流し続けるという作品です。24時間=1 日という大きな時間を示す時計として、何時何分という具体 的な時刻を告げることはないものの、毎日同じ様に淡々と流 れる映像の各シーンがいつの間にか日常に馴染んで、生活の リズムとリンクしていくような、新しい時間感覚を与えます。 「時の演習用時計」が時間との関わり方を考察する為の手段 だとすれば、今回の展覧会の中心ともなる「時間泥棒 -Half T ime project- 」は、人の持つ時間感覚についての認識を改める 為の試みだと言えます。このプロジェクトではあるスポーツ の、ある特定の人物から練習時間や試合時間の半分を盗んで しまいます。例えばサッカーの場合、事前にその人物以外の 関係者全員に、通常の半分で試合時間が終了するが、あたか も普通に試合を終えたかの様に振る舞うよう依頼しておき、 たった一人事実を知らないその人物がどのような反応を示す かを映像に記録します。最高のパフォーマンスを発揮する為 に選手が日々の練習の中で習慣的に体で覚えているであろう 時間感覚に着目し、それをこっそりと奪う事によって、時間 というものが時計で計るものとしてではない側面を露にする その瞬間を追います。ドッキリ映像然とした軽妙さこそある もののそこに笑いを誘う要素はなく、本質は時間を掠め取る 事、また、その特殊な状況を撮ることで目には見えない時間 の正体を暴こうとする飯川の真摯な眼差しが向けられている のみです。
「修学旅行で就寝時間が過ぎた一時間後、部屋の明かりをつ け起床時間だと告げると部屋にいた40人全員が何の疑いもな く朝が来たと思い込み、起きて寝具を片付け始めた。人の時 間感覚の杜撰さに驚くと同時にその状況を面白いと感じた。」 この時、ほんのイタズラ心から想像以上の発見を得て、感覚 的なレベルで流れる時間の存在を意識すると共に、人のもつ 時間感覚というものに懐疑的な視点を持ったことが、現在の 作品へと繋がっています。
当たり前のように日常を時計の針に合わせて進む社会の流れ に順応してきた私たちにとって、飯川の作品を前に、盲目的 に信頼している自らの時間感覚がいかに不確実でなものであ るかを考えずにはいられません。偽られた時間を疑う事のな い当事者と時間を盗む飯川/協力者、それを傍観する私たち、 この三者の間に生じる過去/現在の物理的な時間のズレ、ある いは共有され得ないそれぞれの感覚的な時間がこの展覧会で 交錯します。この飯川の仕掛ける「グッドシチュエーション」 つまり、様々な「時間」同士が関わり合う偶然とも言えるそ の瞬間をぜひ体感して頂きたく存じます。

つきましては本状をご覧の上、展覧会をご宣伝、ご高覧を賜 りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。


− 記 −


作家名 :
展覧会名 :
会期 :
営業時間 :
オープニング:

  飯川雄大 (Takehiro Iikawa)
「グッドシチュエーション」
8月2日(土) 〜 8月23日(土)
11時 − 7時 日・月・祝休廊
8月2日(土)午後6時より



お問い合わせは下記まで

児玉画廊|東京
〒108-0072 東京都港区白金3-1-15
T: 03-5449-1559 F: 03-5421-7002
e-mail: info@KodamaGallery.com
URL: www.KodamaGallery.com



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